ビジネスバッグの移り変わり

こんにちは。

松下ラゲッジ株式会社営業担当です。前回の更新より時間が経ってしまいました。

 

今回のテーマは『ビジネスバッグの移り変わり』です。

松下ラゲッジ株式会社も長年のOEM生産で多くのビジネスバッグを作ってきました。

その中で弊社が感じた、時代に応じて移り変わってきたビジネスバッグの形を皆様にご紹介しながら、私自身も復習をしようと思います。

 

『箱もの』と呼ばれるケース類の生産が得意だった弊社は、今から30年以上前『ソフトアタッシュケース』というものを大量に作っていました。

以前、このNews記事でご紹介した『キャリーバッグの作り方』でもご紹介しましたが、ハニカムと呼ばれる枠を入れ、ピアノ線やバネ線と呼ばれる芯材を入れたかっちりしたビジネスバッグです。キャリーバッグのタイヤと可動式ハンドルが無い鞄です。

私がまだ幼稚園児だった約30年前このソフトアタッシュケースが大ブームだったようです。今ではほとんど見なくなりましたが、弊社のサンプル保管庫には今もたくさんのソフトアタッシュケースのサンプルが保管されています。

今見るととても新鮮に映ります。また形を変えてブームになるのでは?と現代に合った新しいタイプのソフトアタッシュケースが出来ないか日々考えております。

取引先様でもしソフトアタッシュケースいいね!という方がおられましたら是非ご一緒に商品開発をしましょう。

 

このソフトアタッシュケースブームと少し重なるようにして台頭してきたのが、現在でもバリバリ現役の2本手のブリーフケースです。

ブリーフケースって、『書類用鞄』という意味みたいです。私も以前からブリーフケースという言葉を良く使っていましたが、改めて意味を知りました・・・。

この2本手のブリーフケースにもソフト・ハードと2種類あります。

ハードタイプ

ソフトタイプ

弊社では、このソフトタイプのブリーフケースも非常に多く・そして長く生産をしてきました。

その中でも長く第一線を張ってきたのが2WAYブリーフケース。①手持ちと②肩掛けの2WAYです。

スーツにネクタイ、革靴にブリーフケース。当時のビジネスパーソンに合うスタイルでした。

今でも街中でビジネスパーソンの方々が良くお持ちになっております。まだ書類が主流だった一昔前は2WAYブリーフケースの中身がパンパンになってファスナーがはちきれる寸前の方も良く見かけました。

あとは、Dカンと呼ばれる鞄のマチ部分についている金具がクリンと回転してしまっている人も・・・。

鞄の重量が重くなると、そのDカンを縫い止めている革や合皮が伸びてしまい、Dカンがクリンと。キャストのDカンならまだしも丸線のDカンだとつなぎ目部分が開いてきてしまい、鞄が落下・・・なんて事もあったと聞きます。

 

長らくこの2WAYブリーフケースがビジネスバッグを引っ張ってくれていましたが、その次に主役を張ったものが3WAYブリーフケースとビジネストートバッグです。

まずは3WAYブリーフケース。

①手持ち②肩掛けに加え、③背負い、です。リュックスタイルですね。

クールビズが開始された2005年頃からビジネスパーソンのスタイルが大きく変わりました。今まではスーツにYシャツ、ネクタイに革靴というスタイルでしたが、ノーネクタイや上着無し、スニーカーでもオッケーに。沖縄ではかりゆしウェアで働かれる方々もおられ、大きな時代の変化となりました。

それに合わせてこの3WAYブリーフがものすごい勢いで開発され始めました。ビジネスシリーズを作ると必ず1型はありました。1層・2層・出張用オーバーナイター等3型~4型採用されたシリーズもあったほどです。

諸説あると思いますが、よくオーバーナイターと呼ばれる、出張用ビジネスバッグに、業界用語で『Yマチ』というファスナー幅のマチが付いている部屋があります。この『Yマチ』の『Y』はYシャツを入れる専用収納部屋だからYシャツのYと聞いたことがあります。へぇ~です。

 

もう一つのビジネストート。こちらも3WAYブリーフケースと同じくクールビズの影響でビジネスシーンに登場した鞄です。

トートバッグ=カジュアルバッグというイメージから、ジャケパンスタイルが定着してからはビジネスバッグの仲間入りをしました。

多機能ポケット搭載やPCスリーブ機能付きがだんだん当たり前になってきました。

 

そして、私は以前のNews記事でも書きましたが、リュックが大好きです。一度背負うと分かる、両手が空く素晴らしさから逃れられず今でもリュックを愛用しております。普段荷物が多い私はその中でも比較的大き目のリュックを使っています。このリュック本当に使いやすいのです。サンプル師とあーでもないこーでもないと私のデザインのこだわりや使い勝手等わがままを、知恵を借りながら何とか形にしてもらい出来上がったリュック、何が素晴らしいかと言いますと・・・と、その話は又の機会に開発秘話等でお話できればと思っております。

話がそれましたが、そんなビジネスパーソンも多かったのか・・・、次なる主役は『2WAYビジネスリュック』です。

①背負い②手持ち。です。

もう手持ちはついで感覚で良いです。リュックがメインで良いんです。といった感じで、デザインも3WAyブリーフケースはやはり手持ちがメインのデザインでしたが、リュックメインのデザインで、マチにちょこんとハンドルが付いています。背負ったままお客様のところへ行くのは失礼でしょうから、持ち手、付けときました。くらいの存在感。デザインも縦長メイン。横持ちしたときも見栄えがする様にデザインの工夫もかなり高度になったように感じます。

こちらもかなりの多機能性を有しており、リュックながらブリーフケースと同等のポケット数やPCスリーブはもちろん完備といったバッグが主流になりました。

また、この頃から非常に軽量化が進んだ様に感じます。やはり重たい鞄に重たいものを入れて背負うと、肩がパンパンになります。お客様の入れるものの重さは変えられませんから、せめて鞄だけでも軽く・・・といった感じでしょうか?

そしてゲリラ豪雨も毎年のように聞くようになり、出始めたのが『防水』です。弊社はナイロンやポリエステルといった合成繊維の取り扱いが多く、革は付属程度でしたが、生地は防水・ファスナーも止水・革も防水と完全防水では無いにせよ、雨に非常に強いビジネスバッグをたくさん生産をしました。

この2WAYビジネスリュックという形、さまざまなブランド様が発売されておりまだまだ売れていますし、街中でも本当に良く見かけます。肌感覚で8割くらいの人が持っているくらい良く見ます。

お取引先様の商品を背負っておられる方を街中で見かけると本当にメーカー冥利に尽きるといいますか、うれしいです。強度は大丈夫かな?と心配になったりもします。

 

さて、やっと現在の主役ですが、もうマチの持ち手もいりません。と。もうリュックだけで良いですとなり、誕生した『ビジネスリュック』です。

ビジネスリュック 05-N-0004

この形も非常に多くの本数を生産しております。

そして、ソフトアタッシュケース・2WAYブリーフケース・3WAYブリーフケース・ビジネストート・2WAYビジネスリュックと大きく変わったのが、マチの広さです。今のビジネスリュックは本当に薄マチです。通常14~15㎝のマチが、今では10㎝以下という状態です。

書類がどんどんなくなりデジタル化が進みましたし、キャッシュレス化やデバイス関係のコンパクト化で、持ち物がどんどん小さくなってきました。

なので、タブレットや小型PCと手帳が入ればオッケー。なんなら手帳もいらず、タブレットや小型PCと名刺、スマートフォンと少しのケーブル類だけでもオッケーになってきたので、鞄の容量はそれほど必要なくなってきました。

薄マチになることで軽かったビジネスバッグが更に軽く、またスタイリッシュになっています。

 

と、ここまで松下ラゲッジ株式会社がOEMを続けてきたうえで感じたビジネスバッグの移り変わりを文章に起こしてみました。

私もまだ15年程しか経験しておりませんが、そのたった15年の間にも3WAYブリーフ全盛期から2WAyビジネスリュック、そしてビジネスリュックと3世代交代を経験しました。

また、ここ1年はコロナウイルス蔓延によるワークライフスタイルの変化によりさらに変わってきています。

テレワークが推奨されるなどにより、薄マチ流行だったビジネスバッグに普段持ち帰らない会社のノートPCや書類等を家に持ち帰る為にマチが広い大容量ビジネスバッグの需要が再び生まれたり、PCはもちろん、ヘッドセットも入る機能を求められたり、ビジネスバッグだけどマスクが収納できるポケットが欲しい、さらに抗菌防臭機能があれば尚良し・・・。です。

自転車通勤の方が増えたので、ブリーフケースにメッセンジャーバッグの機能が欲しい・・・なんてのもありました。

これからテレワークがさらに進化し、ワーケーションや未来オフィスなどが主流になった時、ビジネスバッグはどんな形に変化しているのか。

ビジネスバッグというカテゴリーがそもそもいらなくなる時代が来るかもしれない。

そんな遠く無い未来を見据え、私たち松下ラゲッジ株式会社は商品開発を続けます。

現在ホームページ上で展開をしております。『Patent&Function』『New normal』『Sustainable』そして『GIGA school』

未来を想像し、既存の展開シリーズにも型を足し、また新たなシリーズを追加していきながら、さまざまな業界のお取引先様にご提案をし、変化の激しい時代の常に先を共に歩めればと考えております。

『CONTACT』より、お問い合わせをお待ちしております。

 

また豊岡鞄 認定企業として、松下ラゲッジ株式会社はこちらでも紹介されています。

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